神奈川大学 経済学部
2015年度経済情報処理II
第3課 商品ごとの売上金額を計算してみる
第3課の目標
- 計算式を使って、複数のセルに入っている数値の四則演算を行えるようになる。
- 指定したセル範囲の合計を SUM関数を使って計算できるようになる。
- セルや行、列に適切な表示形式を設定して、見やすいシートを作成できるようになる。
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準備問題
(1)データファイル(
data02.xlsx)を右ボタンクリックしてダウンロードして保存し、ブロックを解除しておきなさい。
(2)Excelのヘルプを「合計」というキーワードで検索して、合計を計算するために必要な関数のヘルプを読んでおきなさい。
(3)Excelのヘルプを「平均」というキーワードで検索して、平均を計算するために必要な関数のヘルプを読んでおきなさい。
1 計算式の設定と表示形式の設定
例題1. 商品種類別売上金額の計算
- 下記の表は、白楽店での2014年4月の売上データの一部を商品ごとにまとめたもの
- 今のところ、商品ごとの販売価格と売上個数だけが入力されているので、売上額はExcelに計算してもらいたい
- 以下のステップにしたがい、この表を作ってみよう

表の構造は以下の通り。人がデータを入力する部分と、計算をExcelにやらせる部分があるので注意。

Step1. 表にデータを入力する(data02.xlsx の 白楽店4月(部分)シートにも入っている)
以下のようにデータを入力する。まずは計算書の大枠を入力する
- セルA1 → 白楽店 という文字
- セルA2 → 4 という数字
- セルB2 → 月 という文字
- セルA4 → 商品名 という文字
- セルB4 → 販売価格 という文字
- セルC4 → 販売個数 という文字
- セルD4 → 売上金額 という文字
- セルA8 → 合計 という文字
ここまで入力するとこんな感じ

続いて、この表に以下の商品名、販売価格、販売数を入力する。
商品名 |
販売価格 |
販売個数 |
いなり寿司 |
230 |
2000 |
アメリカンドッグ |
100 |
2220 |
ピザまん |
112 |
3260 |
ここまで入力すると、こんな感じ

Step2. 表を見やすくレイアウトする
上の表は品名が途中で切れていたり、表の見出が分かりにくかったりするので、以下の調整を行う
- 文字サイズの調整: 「白楽店」という文字を24ポイントにする
- 列幅: 各列の幅を、内容に合わせて適切な幅に変更する
- 罫線:
- 表の列タイトル(商品名、販売価格、販売数、売上金額)の部分に罫線を引く。ここでは
を使ってセルの上に細い実線、セルの下に太い実線
- 合計欄の上に二重線を引く
- 罫線を付けるには、罫線の色や種類を変えるには? → Excel編 Q13
- 文字位置の調整:
- 商品名、販売価格、販売数、売上金額は中央揃えにする。範囲 A4:D4 を選択してからツールバーにある中央揃えボタン
をクリックする
- セル内でデータの位置、方向を変えるには? → Excel編 Q9
ここまで終わると、こんな感じ

Step 3. 計算式を入れる

計算するには? → Excel編 Q17
- 計算式を入れるセルは D5, D6, D7と C8, D8 の5箇所
- セルD5, D6, D7には、販売価格と販売数から商品ごとの売上金額を計算する式(販売価格×販売数)が入る
- セル C8,には、範囲 C5:C7 の合計が入る
- セル D8,には、範囲 D5:D7 の合計が入る
※セルに計算式を入れる時は、最初に= (イコール)を押す。Excelはセルに入っている文字列の最初が = ならば、そのセルの内容を計算式として解釈する
(1)まず、セルD5 に、いなり寿司の売上金額を計算する式(販売価格×販売個数)を入れてみよう。この商品の販売価格が入っているセルは B5 で、数量が入っているセルは C5 であるから、セル D5 には「セル B5 とセル C5 に入っている値を掛ける」という計算式を入れればよい。手順は以下の通り。
- セルD5 をアクティブセルにする
- = キーを押す
- セル B5 をクリックする(*1)
- * キーを押す(*2)
- セル C5 をクリックする(*3)
- Enter キーを押すと、セルD5 に計算結果の 460000が表示される。このとき、数式バーには現在のアクティブセルであるセルD5 に入力した計算式が表示されている

(2)同様にセルD6から D7 にも計算式を入れてみよう。このとき、計算対象となるセルを選択する方法として、直接セル番地を入力したり、矢印キーを使ったりしてみること

(3)次にセル C8,に範囲 C5:C7 の合計を計算する式を入力する。合計の計算方法は第2課で説明した通り(ヒント: SUM( )関数)

(4)同様にセル D8,に範囲 D5:D7 の合計を計算する式を入力する。合計の計算方法は第2課で説明した通り(ヒント: SUM( )関数)
ここまで終わると、以下のようになる

Step 4. 数字の書式設定を行う
数字に通貨単位をつけるには? → Excel編 Q6
- ここまでの計算表で扱った数値は、価格と売上(日本円)と販売数(個数)が混じっている金額
- しかし、単位なしで数字が入っていると、どの欄がどの単位なのかよくわからない
- Excelでは、数値に対して書式設定を行うことで、適切な通貨記号をつけたり、小数点以下の表示を行ったりできる
(1)まず、販売価格の欄を円表示にしてみる。
- 範囲 B5:B7 を選択する。あとは Excel編 Q6 (2)参照。
- できあがり。販売価格の前に円マークがついて、円単位だということがわかりやすくなった
(2)同様に売上金額とその合計欄の表示形式を円単位にかえる。Excelは通貨の標準的な表記法を知っているので、日本円の場合は「,」が自動的に挿入されている。

Step 5. 表を完成させて保存する
- 計算書の下に今日の日付・学籍番号・氏名・ふりがなを入力する
- sales という名前をつけて保存する
練習問題1 計算式の自動再計算を確認する
- Excelでは、計算式の中で使っているデータが変更されると自動的に計算結果が更新される。これを自動再計算とよぶ
- 例題1で作成した表の中で、販売価格や販売個数を書き換えて、売上金額や合計が自動的に再計算されることを確認しなさい(以下に例を示す)
- いなり寿司の販売価格を 260円にかえてみる
- アメリカンドッグの販売個数を3000個にかえてみる
- ピザまんの販売価格を120円、販売個数を3000個にかえてみる
練習問題2 AKB総選挙の得票数変化
- データファイル data02.xlsx の AKB総選挙(1回から2回) シートには、第1回総選挙の上位3人の得票数が入っている
- このデータを使って、「票数の差」の欄に、1回目と2回目得票数の差(第2回−第1回)を計算しなさい
- 「変化率」の欄に、1回目と2回目得票数の変化率(第2回−第1回)÷第1回 を計算しなさい
- できあがった表は、AKB48-12 という名前をつけて保存しなさい
2. 3つ以上のセルが関係している計算式
例題2. 商品ごとの月間損益額を計算してみる
- 売上金額だけ計算しても、儲かっているかどうかはわからない。
- 利益額を考えるためには、仕入価格も計算に入れる必要がある。
- 例題1で作成した表に、仕入価格のデータを追加して、利益額を計算してみる。できあがりはこんな感じ。

Step 1. 「仕入価格」「利益額」の文字列を入力する
Step 2. 仕入価格を入力する
商品名 |
仕入価格 |
いなり寿司 |
210 |
アメリカンドッグ |
79 |
ピザまん |
89 |
※仕入価格のデータは、 data02.xlsx ブックの 仕入価格 シートにも入っているので、それをつかってもよい。
Step 3. 各商品の利益額を計算する計算式をセルF5に入力する
利益額=(販売価格−仕入価格)×販売個数 で計算できるので、
- セルF5 をアクティブセルにする
- = キーを押す
- (キーを押す
- セル B5 をクリックする。このセルにはいなり寿司の販売価格が入っている
- - キーを押す
- セル E5 をクリックする。このセルにはいなり寿司の仕入価格が入っている
- )キーを押す。これで仕入価格と販売価格の差が計算できる
- *キーを押す。
- セル C5 をクリックする。このセルにはいなり寿司の販売個数が入っている
- Enter キーを押すと、セルF5 に計算結果の 40000が表示される。このとき、数式バーには現在のアクティブセルであるセルF5 に入力した計算式が表示されている

Step 4. セル F6, F7にも同様に計算式を入れる

Step 5. セル F8に、利益の合計額を計算するためのSUM()関数を入れる
- セルF8 をアクティブセルにする
- = キーを押す
- Sキーを押す
- Uキーを押す
- Mキーを押す
- (キーを押す
- セル F5 からをF7 をドラッグして選択する
- ) キーを押す
- Enter キーを押すと、セルF8 に計算結果の 161600が表示される。このとき、数式バーには現在のアクティブセルであるセルF8 に入力した計算式が表示されている

Step 6. 仕入価格と利益額の列の表示形式を変えてできあがり
profitという名前をつけて保存しておこう。

Step7. 利益額を縦棒グラフにしてみる
横軸に商品名、縦軸に利益額をとって縦棒グラフを作ってみる。
(1)横軸のデータ範囲(A4:A7)をマウスでドラッグして選択する

(2)Ctrlキーを押しながらデータ範囲(F4:F7)をマウスでマウスでドラッグして選択する(Ctrlを押しながらでないと、先に選択した範囲の選択状態が解除されてしまう)

(3)挿入-グラフから「縦棒」を選び、グラフの種類としては「2D縦棒」から「集合縦棒」を選ぶ


(4)できあがりはこんな感じ。

確認問題
下図のような「割り勘」用の計算表を作ってみなさい。ただし、以下の条件を満たすように作ること。なお、品名、単価、数量は
data02.xlsx の
割り勘データシートに入力してあるので、それをコピー&ペーストしてもよい。
(1)「小計」の欄は計算式を入力し、単価や数量が変わっても自動的に小計が再計算されるようにする。
(2)「合計」の欄は計算式を入力し、小計が変わったら自動的に合計が再計算されるようにする。
(3)「一人あたり」の欄は計算式を入力し、合計や人数が変わったら自動的に再計算されるようにする。
(4)表示形式については、必ずしも下の例に従わなくてよいが、金額には¥マークと3桁ずつのコンマが入るようにすること。罫線やフォントなどについては、各自で工夫すればよい。

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