……保管人は機械に質問するのがわかっていたので、アレーンは現存する何億何千億という記録のなかに、安全に遺言を埋めて残しておいたのだ。連想機が計画的にそれを探せば、かならず見つかるわけだ。
「銀河帝国の崩壊」アーサー・C・クラーク(井上勇 訳)東京創元社 より
リンダールのアレーンの遺言はそれを求める者が計画的に探せば見つかるが、偶然見つかったりはしないように隠されていた。実際、この検索を行った記録保管人ロアデンはその仕事を何万年もやっていたにもかかわらず、リンダールのアレーンという人名すら知らなかった。つまり、データとしては確かに記録の中に存在しても、そのデータを必要とするアルビンが現れ、計画的に検索してはじめて情報としての意味を持ったのである。
情報化社会では、適切な情報を、迅速かつ効率的に入手し、十分に活用することが求められる。インターネットの普及は、使えるデータの量は増やしたかもしれないが、その中から自分の要求を満たす情報を探し出すことはむしろ難しくなっている。そのため、「計画的、戦略的に情報を探す」という技法が要求される。サルのように検索エンジンに思いついたキーワードを入れて、一番上に出てくる項目をクリックして「見つかりました」という方法ではダメ。
記録情報を対象とした情報検索は、大きく「主題を検索する」「データ・事実を検索する」の2つに分類できる
©2017, Hiroshi Santa OGAWA
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