それでは、Tくんが考えていたような「その点数以下の人が全体の半分になるような点」を考えてみよう。一番簡単な方法は、すべてのデータを小さい方から順番に並べて、前から数えても後ろから数えても同じ順番になるデータの値をさがせばよい。表1を選手の身長順に並べ替えたものが表
2になる。全部で11人であるから、前から数えて6番目の選手が後ろから数えても6番目となる。その身長は182cmであり、平均の181.6cmと近い数字になっている。このように計算した値のことをメジアン(median,
中位数、中央値)と呼ぶ。 表2. 身長順に並べ直したブラジル選手
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ここまでの文書作成では、文書中に表1や表2という文字をそのまま書き込んでいた。これは、図表が最初から全てそろっていて、途中で順番を入れ替えたりしないのであれば問題がないが、文書を推敲しているうちに「やはりこの表は後にした方がいい」とか「説明のために、ここにもう一つ表を入れたい」ということはよくある話。でも番号を手作業で修正するのはとてつもなく面倒。そんなときに便利なのが、Wordの番号機能である。
例題1. 表番号を使わない場合
Step 1. 以下の文章を t10の途中、「ブラジル代表11人の平均身長はほぼ真ん中にあると言っても差し支えなさそうである。」と「それでは、Tくんが考えていたような」の間に挿入しなさい。
※コピー&ペーストする場合は、「形式を選択して貼り付け」から「テキスト」を指定して貼り付けること。
でも、データが1セットだけでは一般化していいのか心許ない。もうちょっと他のデータで考えてみよう。表 2はTくんのクラス男子での中間試験の成績を示している。 表2 Tくんのクラスでの成績
表 2のデータから平均を計算すると、74.75点。平均以下の人数は出席番号3, 4, 5, 8, 15, 18の6人である。20人中6人ということだと、平均点以下の人は3割しかいないことになり、Tくんの主張していた「半分の人が平均以下の得点だ」という主張は怪しくなってくる。 |
Step 2. ここまで処理すると文中に「表2」が2つあることになる。後ろの方の表(身長順に並べたブラジル代表)を表3として文章中の全ての引用箇所を修正し、t11として保存しなさい。
Step 3. Step2の作業が馬鹿馬鹿しいと思った人は例題2に進みなさい。
例題2. Wordの番号機能を使う
表や図に通し番号を付けるには? → Word編 Q41
相互参照を利用するには? → Word編 Q43
Step 1.まず、文書t11中の3つの表に、図表番号機能を使って表1〜表3の番号をつける。ラベルは「表」、位置は「選択した項目の上」図表番号に入れるキャプションは既に表についているものをそのまま使う。
Step 2. 図表番号を Wordの機能で付けたので、以前入力した表番号とキャプションは要らなくなる。紛らわしいので消しておく。
Step 3. 本文中で「表1」と書いてあるところを探し、[挿入]タブの[リンク]グループにある[相互参照]ボタンをクリックする。すると下のような設定ダイアログが開く。
になっていることを確認してから[挿入]ボタンを押す
特定の文字列を探すには? → Word編 Q33
Step 4. 本文中の全ての表1を相互参照機能で置き換えたら、表2と表3も置き換える。作業が終わったら t12として保存しなさい。
練習問題1. 図に番号を付ける
第27課で作成した文書t7中の DHMO分子モデルに「DHMOの分子構造」というキャプションをつけて図番号をつけなさい。また、「普通にH2Oと書いてくれれば、僕だって水のことだとすぐにわかったのに。」の後に( )をつけ、そこにDHMOの分子構造の図番号を挿入しなさい。
表や図に通し番号を付けるには? → Word編 Q41
Tips: 図表番号のふり直し
図表番号機能を使って表や図に番号を付けた場合、たとえば追加の表を挿入したりすると、表のキャプションに入っている番号はその段階で自動的に更新されるが、文書中に埋め込まれた相互参照は自動的に更新されるわけではない。このような場合は、以下の手順で新しい番号に変更することができる。
Step 1. 古い参照先を含む部分をドラッグして選択する(面倒なら Ctrl + A で文書全体を選択してしまってもよい)。
Step 2. 選択した範囲を右ボタンクリックして、ポップアップメニューを表示させ、「フィールド更新」を選択する
すると、参照情報が更新される。
さて、ここまで作成してきた文書であるが、ずらずらと書き並べてあるばかりで、怪しうこそ物狂おしくはあるかもしれないがとても読みやすいとは言えない。文書の構造をはっきりさせるためには、見出しや番号付けを適切にやるとよい。ただし、手作業で章番号や節番号をつけてしまうと、順番を変えたりした際に図表番号と同様に馬鹿馬鹿しい書き換え作業が大量に発生することになる。このような作業は時間の無駄であるだけではなく、人間がやるとミスが多いのでできる限り避けるべきである。
Wordには見出しを付ける機能や、見出しに番号を付ける機能があるので、これをつかってみよう。
例題3. 文書に見出しをつける
見出しを設定するには? → Word編 Q36
Step1. 見出しとなる文字列を入力する
をそれぞれ入力する。
Step2. 「見出し1」を選んで設定する。終了したら、t13として保存しておく。
※見出し1が一番上位の大見出し、数字が大きくなるほど小見出しになっていく
例題4. 見出しに章番号をつける
文書 t13の中の見出し1に、1. 2. 3. といった感じの番号をつけてみる。作業が終わったら t14として保存しなさい。
見出しに章番号や節番号をつけるには? → Word編 Q37
練習問題2.
見出しに番号を付けるときに使えるアウトラインには様々な種類がある。いくつか選んでどのような感じになるか試してみなさい。
練習問題3.(☆☆)
Wordに初期設定されているアウトラインの形式には、経済系では割とよく使う
1. ほげほげ
1.1 ほげほげ詳細
1.1.1 ほげほげさらに詳細
のような形式が存在しない。テキストWord編 Q37(3)を参考にして、この形式のアウトラインを作成し、自分のライブラリに追加してみなさい。
©2017, Hiroshi Santa OGAWA
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