よく使うスタイルは、ホーム-スタイルの中にあるクイックスタイルギャラリーに登録されている。
例題1. 文字列をスタイルで強調してみる
Step 1. 準備問題で作成した文書、スタイルの練習を開きなさい
Step 2. 一番最初に出てくる『はな』 のうち、はなという文字列を選択する
「日本人は〜」の段落にあるのが最初。
Step 4. クイックスタイルギャラリーの右下にあるをクリックして、全体を表示し、強調太字を選択する。
Step 5. 強調太字になった
スタイルで文字を強調するには → Word編 Q34 (1)
練習問題 1
スタイルの練習には、『はな』が6カ所ある(例題1で既にスタイルを設定した箇所を含む)。全ての『はな』に、例題と同様に強調太字のスタイルを設定しなさい。
Wordには、クイックスタイルギャラリーには登録されていないスタイルが沢山用意されているが、あまり沢山表示すると訳がわからなくなるので、わざと一部しか表示しないようにしている。
ギャラリーにないスタイルを利用するには? → Word編 Q34(2)
例題2. 段落の先頭文字を1字下げるスタイルを設定する
Wordには、日本での文字組で標準的な「段落の先頭文字を1字下げる」というスタイル(本文字下げ)があるが、標準でクイックスタイルギャラリーには表示されていない(*1)。
Step 0. スタイルを設定したい段落をクリックする(段落内ならどこでもいい)。ここでは「もっとも、古くは〜」から始まる段落をクリックした例を示す。
Step 1. スタイルの右下にあるをクリックすると、スタイル作業ウィンドウが開くので、ウィンドウ右下にある「オプション…」をクリックする
Step 2. 「表示するスタイル」を「すべてのスタイル」にして、OKをクリックする
Step 3. スタイル作業ウィンドウの中から本文字下げを選ぶ
かなり下の方にあるので、スクロールして探す
本文字下げを設定すると、こんな感じで段落の先頭文字が1文字下がる。本文字下げは段落に適用するスタイルなので、指定した段落にだけ効果がある。
練習問題 2 段落スタイルの設定
「日本人は〜」、「さて、桜といっても〜」の段落のスタイルを、本文字下げに変えなさい。
「桜の花と日本人」という段落のスタイルを表題に変えなさい。
(*1)段落先頭の文字下げについては、ここでの記述のように段落書式として字下げを設定する方法と、実際に空白文字を入力して文字下げに代替する方法がある。後者の方法には(1)段落の先頭の空白文字には論理的に意味が無い(段落の区切りは改行文字で識別できる)のでデータとして無意味なものを入れておくのはカッコ悪い、(2)プロポーショナルフォント(文字の高さや幅が一定でないフォント)を使っている場合は、文字ツメのためワープロ側で自動的に文字間に自動的に小さなアキを設定してしまうことがよくある。そのため、印刷したときに空白文字1文字分の幅のアキができるかどうか実は不確定。微妙に行頭位置がずれていると印刷物ではとてもカッコ悪いの、という2つの理由からオススメしない。
例題3 本文字下げをクイックスタイルギャラリーに登録する
Step 1. 本文字下げスタイルをスタイル作業ウィンドウに表示する
例題2参照
ギャラリーにないスタイルを利用するには? → Word編 Q34(2)
Step 2. スタイル作業ウインドウのなかの本文字下げを右ボタンクリックして、ポップアップメニューを表示させる
Step 3. 「スタイルギャラリーに追加」をクリックする
こんな風に追加された
Tips: テーマ
Word2016にも、PowerPointと同様にテーマと呼ばれるデザインセットが存在している。スタイルはテーマによって見た目の設定が違うので、もし既存のテーマで気に入ったものがあれば、細かくスタイルを設定していくよりもテーマ自体を切り替えて使った方が速いし、統一感の取れた文書になる。
テーマの切り替えはデザイン-ドキュメントの書式設定-[テーマ]で行える。Word2016での初期設定テーマはOffice。
例題4. 段落に設定するスタイルを作成する
Step 1. スタイルの実験を開き、「日本人は〜」の段落に段落後0.5行空けの段落書式を設定する。
※練習問題2を済ませていない場合は、やっておかないと段落先頭1字下げが設定されていないので注意
「日本人は〜」の段落の中を右ボタンクリックしてポップアップメニューを出して、中の[段落]を選ぶ。
練習問題で、本文字下げスタイルを適用済みのはずなので、この段階では「最初の行」が字下げ、幅は1字になっているはず。
Step 2. 行間隔を段落後で0.5行に変える
[間隔]-[段落後]を0.5行にする。終わったらOKで設定を抜ける
段落後の行間が広くなった
Step 3. スタイル作業ウィンドウを開いて、下の方にある(新しいスタイル)をクリックする
※作成したい書式を設定してある段落をクリックして選択しておく
Step 4. スタイルに名前をつけて保存する
→
スタイルを新規に作成するには? → Word編 Q35(1)
Tips: 作成したスタイルを他の文書でも使うには?
→
(*2)段落先頭文字の文字下げは行間の広さを変えられない原稿用紙の流儀で、行間を変えられるワープロを使う際は段落間を広めに取ることによって段落間の区切りを示すことも多い。Wordの「標準」はどちらかというとこの考え方に近い。ただ、「段落先頭文字を1文字下げてないなんて非常識、論外、プークスクス」みたいな反応を示す人も少なくないので相手に合わせて使い分けられるようになるのが現実的。
例題5 文字列に設定するスタイルを作成する
例題4は段落に設定する書式をスタイルとして登録したが、ここでは文字列に設定する書式をスタイルにしてみる。
例題1で使った強調太字スタイルをベースに、フォントをMSゴシックに変更したゴ強調太字というスタイルを作成してみよう
Step 1. 強調太字を設定した『はな』を選択する
これは普通にマウスでドラッグして選択するだけ
Step 2. フォントをMSゴシックに変更する
選択した部分を右ボタンクリックすると、書式設定のポップアップメニューが出てくるので、、フォントをMSゴシックに設定する
Step 3 選択部分の書式を、あたらしいスタイルにする
→
新しいスタイルが登録された
Tips: 文字スタイルと段落スタイル
練習問題3
例題6. スタイルゴ強調太字を変更してみる
Step 1. 最初の『はな』にアンダーラインを引いて、文字色を赤に設定
アンダーラインを引く
文字色を赤にする
こんな感じになる
Step 2. はなを選択する
Step 3. スタイル作業ウィンドウで、変更したいゴ強調太字を右ボタンクリックして、出てくるメニューから「選択個所と一致するように ゴ強調太字 を更新する」を選ぶ
スタイルが更新されると、ゴ強調太字を設定してある個所の書式がすべて変更される。できあがりはこんな感じ。
練習問題4(☆☆)
(ヒント)フォントグループにある蛍光ペン機能はスタイルに設定できないが、「罫線と網かけ」で背景の色を設定すると同じような効果が得られる。
Tips: Wordとフォント
・Wordの文書の中には、「このフォントを使って表示するよ」という情報しか入っていません。そのため、文書を表示・印刷する環境に指定されたフォントが存在しない場合、アリモノのフォントで代替表示します。この場合、フォントによって行の高さや文字の幅は異なるのが普通なので、文書の体裁は意図した通りになりません。
・Windows10/Office2016での標準フォントは、游ゴシック、游明朝というフォントになります。このフォントはWindows 8.1以降にはOS付属、Office2016にも含まれていますがそれ以前のWindowsやOfficeには含まれていません。つまり、「相手の環境次第では文書が正しく表示されない」可能性があります。
・マイクロソフトは「游ゴシック游明朝フォントパック」をOffice2010/2013ユーザー用に提供していますので、相手がこのフォントパックを追加インストールしてくれれば游ゴシック、游明朝で作成した文書も正常に表示できます。ただし、相手がある話なのでインストールしてくれるかどうかは別の話です。
・MSゴシック、MS明朝は大昔からWindowsに含まれていますので互換性を重視するのであれば候補になるかもしれません。ただし、Wordのバージョン間でも細かい部分では表示が異なるのはよくある話なので、MSゴシック、MS明朝を使えば大丈夫、と考えるのは若干甘いです。
・PDFには「フォントを埋め込む」という機能がありますので、フォントを持っていないPCに持って行っても埋め込まれているフォントで表示することができます。印刷や表示のためにファイルを送りたいときは、PDFを使うのがオススメ。
以下、個人的な見解
・ゴシック系のフォントの美しさは、游ゴシック>メイリオ>>>>超えられない壁>>>>MSゴシック
・明朝系のフォントの美しさは、游明朝>>>>>>越えられない壁>>>>>>>MS明朝
なので、新規に作る文書であれば游ゴシック、游明朝で作るのが(文字の美しさという点では)オススメです。ただし、これは感覚的なものですから「私はMSゴシックの無理矢理なボールド体に愛を感じる」という方が居たとしても別に問題はありません。
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